株やってる人には1年に一度の大相場(メガヒット曲)がそろそろ出そうな推移に見える。
ヒットチャート1曲の山が低くなってきています。米津玄師さん「IRIS OUT」が記録的な106万回再生で1位を達成して以降、1曲の再生回数は低下傾向にあり、例えば今月1位になったAyumu Imazuさん「結び」の再生回数は「IRIS OUT」の5分の2ほどに留まっています。Spotify日本のデイリーチャートで、2023年 に入った198曲を対象に、「1曲ごとの1日の再生回数がどう動いてきたか」を視覚化してみました。横軸が日付、縦軸が1日の再生回数(前後7日の平均)で、色の付いた線は1位を取った主な曲、灰色の線はそれ以外の曲です。
■「IRIS OUT」以降の山は半分ほどの高さ
図の中央右寄り、赤い線の「IRIS OUT」は2025年9月に7日平均でも100万回に届き、図の中で最も高い山になっています。
その左を見ると、黄色のYOASOBI「アイドル」や橙のCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」も60万回を超える山を作っていて、大きなヒットの1位曲はこの高さまで上がるのが一つの目安になっています。
ところが右端の濃い灰色の帯(2026年1月以降)に入ると、茶色のMrs. GREEN APPLE「lulu.」、紫の嵐「Five」、紺のMrs. GREEN APPLE「Brand New」、右端のローズ色の「結び」のどれもが、「IRIS OUT」の4〜5割ほどの高さで止まっています。
帯の中で最も高い「Five」でも55万回です。
つまり、同じ日に同じ1曲へ集まる再生の量は、1位の曲であっても以前の半分ほどにまで減っています。
■1位が2〜3週間ごとに入れ替わる
では、山が低くなったぶん、1位はどう決まっているのでしょうか。
2026年の1月1日から10月20日までに1位になった曲は17曲あります。2024年の同じ期間はわずか4曲で、1曲が数か月にわたって1位を保つ形から、平均17日ほどで次の曲に入れ替わる形に変わっています。
入れ替わりの中身を見ると、紫の「Five」の線は細く鋭い形をしています。
チャートに入った翌日に1日77万回まで上がったあと、17日で山の高さが半分に下がっていて、半分になるまで55日かかった「IRIS OUT」とは下り方がまったく違います。
これは、発売直後にもともとのファンが集中して聴き、その後に聴く人がほとんど増えていかない聴かれ方の形です。
同じように、2026年にはMrs. GREEN APPLE「風と町」、King Gnu「AIZO」、Number_i「3XL」、Snow Man「グッタイム」が、いずれも1〜3日だけ1位になっています。
1位の水準が30万回前後まで下がっているため、
発売日にファンが集中して聴く再生だけでも1位に届くようになっている、
と考えられます。
■いっぽうSpotifyで聴かれる量は増えている
ここまでだと「音楽が聴かれなくなった」ように見えますが、実際は逆です。
上位200曲を合わせた1日の再生回数は、2023年(2〜10月)の平均1,591万回から、2026年には1,947万回へと2割以上増えています。
一方で、そのうち10位以内の曲が占める割合は15.7%から13.1%に下がっています。
聴かれる量は増えているのに、その増えた分が上位の曲には向かっていないのです。
図でいえば、下のほうの灰色の線の束がその行き先です。束の下の端は年を追うごとに上がっていて、200位の曲でも1日3.9万回から5.4万回へと4割近く増えています。
■増えた分は「聴き慣れた曲」へ
では、増えた再生はどんな曲に向かっているのでしょうか。
チャートに初めて入ってから1年以上たった曲が、上位200曲の再生に占める割合を集計すると、2024年の45%から2026年には59%まで上がっています。毎日の200曲のうち、およそ130曲が1年以上チャートに残っている曲です。
緑のMrs. GREEN APPLE「ライラック」はその代表で、2024年5月に1位になったあと、2年以上にわたって10位の水準(青い破線)の近くを保っています。
言いかえると、多くのリスナーは日々、新しい曲を次々に追うよりも、すでに知っている曲を自分の生活の中でくり返し再生しています。
一方で、初登場から30日以内の新曲が占める割合は、2023年から2026年までずっと1割前後で大きく変わっていません。
新曲に向かう再生の総量は減っておらず、それがより多くの新曲に分かれ、それぞれ短い期間に集中するようになっている、という構造が形成されていると考えられます。
■「結び」と「しわあわせ」は少し違う形
右端の2曲は、ここまでの話とは少し違う動きをしています。
ローズ色の「結び」は10月2日に1位になってから18日間1位を保ち、7日平均も40万回前後でゆるやかに推移しています。配信2日目に1日34万回まで上がったあと、3週間近く40万回前後を保っていて、「Five」のような急な下りがありません。
ただ、この形はMrs. GREEN APPLE「lulu.」の最初の3週間ともほぼ同じで、山が長く続くかどうかはまだ分かりません。
「結び」は、配信前にTikTokに投稿されたデモ音源が広がり、その音源を使った投稿が約3週間で6万件を超えたあとに配信されています。
発売日にファンが集中して聴くというよりも、SNSで曲を知った人が配信後に少しずつ聴きに来ている形と考えると、ゆるやかな線の形と合っています。
ただし最初の19日間の再生回数は733万回で、「IRIS OUT」の同じ期間の1,650万回の44%にとどまっています。
形は大ヒットと同じでも、同時に聴いている人の規模はその半分に届いていません。
もう1曲、10月20日に1位になった黄緑のVaundyさん「しわあわせ」は、2021年4月に配信された曲です。図の左下にも同じ色の短い線があり、2023年2月にも200位以内に入っていました。
当時の週間チャートでの最高は70位で、それから5年半後の2026年10月2日に公開された映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』の主題歌になったことで、デイリーチャートを54位から18日かけて1位まで上がっています。公開日に一気に跳ねるのではなく、映画を観た人が曲を聴きに来る再生が日ごとに積み上がっている形です。
■Vaundyの曲は発表から何年もかけて聴かれる
実はVaundyさんには、同じように発表から時間がたってから大きく聴かれた曲が以前にもあります。
代表的なのが「怪獣の花唄」です。2020年5月のアルバム『strobo』に収録された曲で、Spotify日本の週間チャートには2020年8月に196位で初めて入りました。
そこから2年以上かけて50位前後まで少しずつ上がり、2022年末の『NHK紅白歌合戦』での歌唱をきっかけに上位へ入って、週間1位になったのは2023年4月です。アルバムの発売からおよそ3年後のことです。
さらに「怪獣の花唄」は、この図の対象期間である2023年2月から2026年10月までの3年8か月のあいだ、デイリーチャートの200位以内にほぼ一日も欠けずに入り続けていて、2026年の週間チャートでもまだ20〜30位台にいます。
新曲として発売された週に頂点を迎えるのではなく、発表されたあとに何年もかけて聴く人が増え、一度聴かれるようになると長く聴かれ続けるという形を、Vaundyさんの曲はくり返し見せています。
Vaundyさんは2019年、大学在学中にYouTubeへ自作曲を投稿して活動を始め、コロナ禍の2020年5月に1stアルバムを発表した、ストリーミングとともに歩んできた「令和の若手」を代表するアーティストの一人です。
その世代を代表するアーティストの曲が、発売週の瞬間的な集中ではなく、年単位で聴かれる量を積み上げていく形でヒットになっていることは、この図全体で起きている変化を考えるうえで非常に示唆的です。
■全体として見える構造変化
まとめると、Spotify日本で起きているのは「聴かれる量の減少」ではなく、「同じ日に同じ新曲を多くの人が聴く」という聴かれ方の比重が下がり、その分が一人ひとりの定番の曲のくり返しに移っている、という構造変化です。
1位の1日あたり再生回数が測っているのは、
「同じ日に同じ新曲へどれだけ再生が集まったか」
です。
その数字が下がる一方で、上位200曲の総量と、
「1年以上聴かれ続ける曲」
の割合は上がっています。
そのため1位の数字だけを見ると「ヒットが小さくなった」ように見えますが、リスナーの側から見ると、
「各人が自分の聴き慣れた曲を持ち、それを毎日の生活の中で長く聴き続けるようになった」
という姿が浮かびます。
新曲の側も、「Five」のように発売直後にファンが集中して聴いてすぐに下がる山と、「しわあわせ」のように日を追って聴く人が増えていく山とでは、形がはっきり違います。
「IRIS OUT」のような、多くの人が数か月にわたって同じ新曲を聴き続ける形は、2026年に入ってからまだ現れていません。
ヒットの大きさを1位の高さだけで測る時代から、上位に残り続ける長さもあわせて見る時代に移りつつある、と考えられます。
なお、ここでの分析はチャートの集計値から読み取ったもので、個々のリスナーの再生履歴を確かめたものではありません。
「結び」がこのあと「IRIS OUT」と同じように長く聴かれていくのかも含めて、引き続き追っていきたいと思います✍
0
0
12
3,470
カスちゃん retweeted
【信用残データの誤りについて】
東証(JPX)から、10月19日分と10月20日分の銘柄別信用取引残高(申込分)に一部誤りがあり、修正を行う予定と案内が出ています。
IRBANKの信用残はこのデータをもとにしているため、この2日分は誤った値のままになっています。
修正データが公開され次第IRBANKでも更新し、更新が終わったらあらためてお知らせします。
ご迷惑をおかけしますが、しばらくお待ちください。
jpx.co.jp/markets/statis…
東証(JPX)から、10月19日分と10月20日分の銘柄別信用取引残高(申込分)に一部誤りがあり、修正を行う予定と案内が出ています。
IRBANKの信用残はこのデータをもとにしているため、この2日分は誤った値のままになっています。
修正データが公開され次第IRBANKでも更新し、更新が終わったらあらためてお知らせします。
ご迷惑をおかけしますが、しばらくお待ちください。
jpx.co.jp/markets/statis…
0
14
35
15,429





















